HOME > 経営情報 > 診療報酬関連 | 患者さんの生活を守るために ~透析医療にも介護サービスが必要になった超高齢社会のいま~

印刷する

患者さんの生活を守るために
~透析医療にも介護サービスが必要になった超高齢社会のいま~

中林 梓先生

中林 梓先生 株式会社ASK梓診療報酬研究所 所長

  • 札幌出身。
  • 病院・診療所対象のコンピュータ・インストラクターを経て、
    医事運用、経営コンサルティングに従事。
  • 平成9年(1997) ASK梓診療報酬研究所を設立。
  • セミナーや執筆活動に加え、医業経営コンサルタントとして活動。

超高齢社会の到来により、医療施設においても患者さんの生活を守り、QOLを高める支援が必要になってきています。透析施設においても、要介護の高齢患者さんへの対応、あるいは要介護とならないための対応に取り組む施設が増えてきました。自施設で全てを提供できなくても、地域における他の医療施設、介護施設との連携を強化することで、透析施設が地域包括ケアシステムの中でできることは多くあります。

そこで今回は、全国の医療施設の経営支援に携わっている中林 梓先生に、これからの透析施設が目指すべき患者サービスについてうかがいました。

平成30年度診療報酬・介護報酬ダブル改定で見えてきた医療と介護の連携

最近、透析のための通院が難しくなっている患者さんはいらっしゃいませんか。まだ元気で通院されている患者さんでも、あとどれくらい通院ができるでしょうか。近年、透析患者さんの高齢化が急速に進んでいます(図1)。高齢化によって「併存疾患が増えた」、「足が弱った」、「栄養不良になった」、「独居になった」といった様々な理由で、通院が困難になるケースが増えています。透析施設では、専門の透析医療に集中して診療を行っているところが多いと思われますが、これからは地域包括ケアシステムや介護サービスの提供も視野に入れ、患者さんの生活を守る取り組みを行うことが、医療サービスの質の向上、そして経営面でも非常に重要です。なぜなら、これらの取り組みによって、通院の継続を支援することができるからです。

図1 高齢化が進む透析患者
図1 高齢化が進む透析患者

出典:一般社団法人日本透析医学会:「図説 わが国の慢性透析療法の現況 2016年12月31日現在 P8」より
(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2017/p008.pdf)

平成30年度診療報酬・介護報酬ダブル改定には、医療と介護の密接な連携を望む国からの強いメッセージが込められています。透析に携わる医療従事者の方々もぜひ介護保険制度を知っていただき、高齢患者さんの生活を守り、透析医療をより長く提供するために、様々な社会資源を上手に利用していただきたいと思います。